〇理学療法士とは
ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
リハビリテーションをするにあたって医師の診断があり、医師の指示のもとリハビリテーションを提供します。患者様と目標を共有しその目標に対しての問題点を一緒に解決できるように治療していきます。
引用:日本理学療法士協会より
〇理学療法士免許が必要
理学療法士になるには国家試験に合格し、免許証の申請・交付を経て、初めて理学療法士として働くことができます。受験資格を得るには、理学療法士の養成校(大学、短期大学、専門学校)に通います。病院など合計4~6か月ほど実際の臨床場面の見学や評価、治療について学びます。必要な課程を修了することで国家資格を受けることができます。
〇理学療法士の仕事内容
- 検査測定・評価
患者様の問題点となる動作とその原因に対して治療計画を立てます。その問題となる動作と原因に対して精査するために検査測定・評価を行います。基礎疾患や既往歴、生活状況といった患者の基本情報はもちろん、身長体重、手足の長さ、姿勢、心電図、血圧、筋電図、運動機能(筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性など)、神経機能などを検査します。
検査の結果から必要なリハビリのプログラムを設計し、医師をはじめとした多職種との協議のうえ治療の方針と目標を決定します。その後はプログラムに沿って運動療法や物理療法をおこない、定期的に再評価を繰り返しながら回復を目指します。
- 運動療法
患者自身の力、または理学療法士による手技や器具によって患者の身体を動かすことで、筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性などの機能の改善を目指します。
代表的な運動療法には、関節可動域運動、筋力増強運動、筋持久力運動、協調性運動、バランス運動、全身持久力運動などがあります。また座る・立つ・歩く、食事を取る、衣服を着替えるといった日常生活動作(ADL)を練習することも運動療法の一部です。
- 物理療法
電気、温熱、マッサージなどの物理的なエネルギーを利用することで、痛みの軽減、血液循環や筋機能の改善を目指します。
代表的な物理療法には、筋肉に刺激を与える電気療法、患部を温める温熱療法、患部を冷やす寒冷療法があります。
- 補装具の適合判定
義肢や装具、杖、車椅子などの補装具が必要な患者の適合判定や調整、着脱や使い方のレクチャーをおこないます。なお義肢や装具などの採寸・採型・製作は義肢装具士がおこない、その過程で理学療法士と連携することもあります。
- 家屋調査・環境調整
退院後の生活で不便がないよう、患者の自宅へ訪問し屋内や周辺環境を調査することがあります。ケアマネージャーやソーシャルワーカー、家族と一緒に調査し、必要に応じて家屋の改造提案や生活上の指導をおこないます。
- 多職種・患者家族との連携
理学療法士は日常生活動作を中心としますがその後の治療や薬、介護保険サービスなど患者様が今後楽しく生活送るためには多職種と連携し支援していくことが必要不可欠です。理学療法士が接することが多いのは医師や看護師、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなど。それぞれの職種が専門性を活かし、協力しながら今後の治療方針や支援内容を決めます。
また患者の家族に対するコミュニケーションや生活指導、ケアをしていくことも重要な役割です。今後家族が一緒に生活するので一緒に退院後の生活について考えて支援していきます。
理学療法士は学校で勉強し国家資格を取得して病院などに努めることができます。しかし患者様をより良くするためには医師と一緒の知識が必要です。知識だけでなく治療技術や患者様への接し方や多職種へのかかわりが非常に大切です。一人でよくするのではなくみんなで一緒に患者様を良くするために支援していきます。
この理学療法士は患者様とかかわる時間が多く患者様から「ありがとう」と言われることが非常に多い仕事でやりがいがあります。患者様から感謝されるように日々精進していくことが大切です。