筋膜マニピュレーションとは

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筋膜マニピュレーションとは、全身を包んでいる筋膜の歪みを調整しバランスを整える手技のことです。

イタリアの理学療法士であるルイージ・ステッコ(Luigi Strecco)氏によって発展させた治療法であり、有効な治療法であるとして取り組む施術者が増えています。

筋膜マニピュレーションの有効性

近年、筋膜リリースの手技によって、筋膜の歪みが身体に与える影響については一般的に知られるようになりました。

筋膜とは「浅筋膜」「深筋膜」「筋外膜」「筋周膜」「筋内膜」の5層で構成されており、筋肉や内臓など全身の組織を包み込んでいる薄く柔らかい膜のことを言います。
全身に張り巡らされていることが知られており、「第二の骨格」と呼ばれるほど重要な組織であることが分かってきました。

この筋膜は、筋肉を滑らかに動かすことができるようにサポートする役割をもっています。
しかし筋膜が一部分に偏ってしまい筋肉や皮膚にくっついて固くなってしまうと、筋肉の動きが悪くなってしまい血行不良を起こしてしまうのです。

このような筋膜の機能異常に対して、筋膜マニピュレーションが有効であると考えられています。

筋膜マニピュレーションの手技療法について

筋膜マニピュレーションとは、筋膜のバランスを調整することによって、筋肉の動きや柔軟性を改善し、運動パフォーマンスを向上させ、身体機能を改善させる手技療法です。

筋膜はコラーゲンやエラスチンといったとても柔らかい繊維でできており、無理な姿勢などによって委縮したり癒着してしまい柔軟性が損なわれてしまいます。
柔軟性が損なわれることによって、関節の痛みや筋肉のコリなどの不調を引き起こす原因となってしまいます。

筋膜マニピュレーションの手技療法の理論は「摩擦」「熱」「修復」にあり、摩擦によって局所に対して熱を作り出し、ゲル状態からゾル状態へと正常に導くことにあります。

コラーゲンで作られている線維同士の癒着を除去し、筋膜の順応性を活用しながら状態を元通りに復元することが筋膜マニピュレーションの目的なのです。

筋膜とは~その構造と役割について

筋膜は、全身の筋肉や内臓を包む結合組織性のとても薄い膜のことで、筋繊維や器官、神経などの組織をくまなく連結させていることから、第二の骨格とも呼ばれています。

筋膜はとても伸縮性のある膜であり、連続した層によって構成されており、その膜同士が滑らかに動くようなシステムになっています。

全身の運動器官の構造は、すべて筋膜と連結されていると言えます。
そのため筋膜の歪みや偏りは、そのまま運動器官の機能障害に繋がる可能性も持っています。

なぜ筋膜の萎縮や癒着が見られるのか

筋膜は、筋繊維に張り巡らされているだけではなく、内臓の膜とも繋がっていることが知られています。
この膜の存在によって、筋肉や内臓との摩擦を防ぎ、身体全体の動きを助けているのです。

しかし日常生活において、悪い姿勢を継続していたり、一部の筋を使い過ぎていたり、偏った動作を続けることによって、筋膜が変性してしまうことがあります。

日常的な動作や行動において、筋の一部に負担をかけるようなことを続けると、筋膜が偏ったまま動かなくなってしまうために癒着を引き起こしてしまうのです。

適度に身体を動かしたり、休めたり、ストレッチすることによって改善させることもできますが、姿勢が悪い状態などが続くと筋膜が偏った状態で脱水してしまいます。
筋膜の偏りと脱水が、癒着を引き起こす原因なのです。

筋膜の機能異常とは

筋膜が偏ったり癒着したりする原因として、姿勢不良や一部の筋肉の使いすぎを例として挙げましたが、その他にも外傷であったり、運動不足であったり、循環不全なども原因として挙げることができます。

これらの原因によって筋膜を脱水させてしまい、変性を生じさせゲル状になってしまいます。
この状態が筋膜の機能異常であり、関節の痛みを生じさせ、筋肉のコリ、運動パフォーマンスの低下に繋がってしまいます。
しかも筋膜の機能異常は、癒着が生じている部位だけではなく、筋膜の配列を通して全身に影響を与えることになります。

つまり左肩関節の痛みについて筋膜のバランスで見た場合、その原因が右足にあるということも考えられるのです。

筋膜マニピュレーションによるアプローチの方法

筋膜マニピュレーションによる施術は、変性し偏ることによって密度が高くなった筋膜の状態に対して、摩擦によってその部位の温度を高め、ゲル化された状態を正常に引き戻します。
筋膜が脱水しゲル化することによって、ヒアルロン酸が凝縮してしまい、筋膜内のコラーゲンが変性しますから癒着を引き起こしてしまいます。

筋膜の癒着を除去する方法には、筋膜リリースなど直接的な治療方法がありますが、筋膜マニピュレーションは筋膜の順応性を活用した方法で除去していきます。

そのため「摩擦」「熱」「修復」の理論を用いることになります。
特に「摩擦」には十分に時間をかけて深い圧を加えて行う必要があり、熱を与えながら筋膜の粘調性を修正していきます。

筋膜は温度が高くなることによって、ゲル化された状態を正常に引き戻すことができます。
筋膜を元通りにリリースされることによって、局所の痛みやコリはもちろんのこと、関連して生じていた痛みなども改善させることができるのです。

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